ゴミ問題について
 今、地球を守る為の森林や海洋を大切にするイベントが盛んに行われ、
そしてこれらのイベントに非常に多くの人々が参加されています。確かに
地球環境に関心を持ってもらう為にもいい活動だと思いますが、でもそれで
満足してしまうのは間違えです。
 「私は地球を守っている」と言いながら、ゴミをポンポンと捨てているよう
では、地球の危機は回避できません。なぜなら地球を壊している最大の
原因が私たちの出しているゴミだからです。
 ここではゴミについて考えてみましょう。

 清水の清掃現場がゴミから危惧する環境破壊

 私たち清水地区の市民が1日に出すゴミの量は、900g(全国平均1,1kg)
清水地区24万人、216トンのゴミが1日に清掃工場に焼却される為、集まって
きます。
 皆さんの出される、これらのゴミを観察すると見えてくる物は、なんと人類崩壊
の危機です。
 これは単なる誇張ではありません。このまま改善されなければ恐ろしい未来が
私たちを待っているのです。
紙が招く恐怖
 まず、ゴミの中で一番多いのは、なんと言っても「紙」です。ちょっと汚れた
だけで、実に多くの「紙」がゴミとして燃やされています。

 紙の年間の生産量は3,200万トンと言われています。その内、
1,750万トンはリサイクルされていますが、残りの1,450万トンはゴミと
して燃やされてしまう計算になります。
 
 家一軒の木材の使用量が約10トンだと言う事を考えると1,450万トン
の「紙」は、家145万戸の木材に相当します。ちなみに約60年前の
東京大空襲では、20万戸の家が焼失した事を考えると毎年毎年なんと
東京を7回も灰にする量の紙が燃やされているのです。もし、これらの「紙」
を燃やさずにリサイクルしたら、どれ位のCO2(二酸化炭素)を減らせるの
でしょう。

 「紙」は木から紙の原料であるパルプを1トン作るまでに2,5トンのCO2を
排出します。(電気エネルギーを使った場合)

 「古紙」を原料として新しい「紙」を作った場合は、たった1/5の0,5トン
しかCO2を排出しません。
 しかも「紙」をゴミとして燃やせば1トンにつき、2トンのCO2が発生します。

 このように「古紙」1トンをリサイクルせずに燃やしてしまうと、なんと4トン
ものCO2が余計に排出されてしまうのです。

 清水工場で燃やされている紙の量は、成分分析表から換算すると
75,000トン中、18,750〜37,500トン(分析表は容量比なので重量
には幅が出てしまう)の紙が含まれていると考えられます。最大の
37,500トンで計算すると1年間150万トンのCO2が排出されている事
になります。これを市民一人あたりに換算すると、なんと6トンものCO2を
出していることになります。あなたも地球温暖化の加害者なのです。
生ゴミが招く恐怖
 全国の生ゴミの量は、1年間に2,000万トンも出されています。1年間の
お米の収穫量が1,000万トンである事を考えると、物凄い量の食べ物が
ゴミとなり、その殆どが焼却されています。現在、食料品を扱う多くの会社で
堆肥化を含めた生ゴミの処理を検討し始めていますが、家庭から出されて
いる残飯等の生ゴミの堆肥化を行っているのは、3,000もある自治体の
中でたった70程度です。この生ゴミがこれからの私たち人類の存在を左右
させかなねい重要な位置にあります。
 清水地区において生ゴミが可燃ゴミに占める割合は22%で75,000トン
の内、16,500トンにもなります。

 生ゴミが清掃工場で焼却される際、大きな問題が2つ発生します。
 一つは、生ゴミの中に含まれる残飯です。大抵、調理された物には、多くの
塩分が含まれていますが、この塩分が問題なのです。塩分は焼却する事に
よりダイオキシンを発生します。このダイオキシンを除去する為、多額の税金
を投入、バグフィルターと呼ばれる集塵機を設置しなければいけません。

 もう一つの問題は生ゴミに大量に含まれる水分です。この水分が焼却炉に
入るとダイオキシンを破壊すると言われる800℃以上での焼却を困難になり
ます。又、ピット内(ゴミをストックする大きなプール)に溜まる、これらの汚水
の処理も高い技術が必要で、やはり高額の税金を使わなければなりません。

 このように「生ゴミ」は清掃工場において、皆さんの税金を大量に食う金食い
虫なのです。

 でも、それ以上に大きな問題は、これらの生ゴミが堆肥化されない事に
あります。
 現在、生産されている多くの農作物の殆どが化学肥料や多くの農薬で
育てられおり、これらの薬品が土が本来持つ循環型の生育環境を破壊し
殺してしまったのです。

 土の中には非常に多くの生物が、食物連鎖の循環の輪を造っています。
健康な土は、黒く軟らかく良い香りがします。又、このような土は適度な
水分を維持する力、酸性やアルカリ性を中和する力などに優れ、植物が
生育しやすい環境を保てるような機能まで持っています。

 ところが、人間の造った様々な化学肥料や農薬は、これらの健康な土
にいる多くの生物を死に追いやり、運動場のような堅い土と化してしまい
ます。

 この堅い土には、もはや植物を健康に生育させる力はなく、大雨などで
表土の流失を起こし、大きな環境問題となっています。(わずか10年で
インド半島と同じ量の土が、世界中で流失したと言われている)

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