ゴミ問題について
 今、地球を守る為の森林や海洋を大切にするイベントが盛んに行われ、
そしてこれらのイベントに非常に多くの人々が参加されています。確かに
地球環境に関心を持ってもらう為にもいい活動だと思いますが、でもそれで
満足してしまうのは間違えです。
 「私は地球を守っている」と言いながら、ゴミをポンポンと捨てているよう
では、地球の危機は回避できません。なぜなら地球を壊している最大の
原因が私たちの出しているゴミだからです。
 ここではゴミについて考えてみましょう。

 ゴミについて考えよう
ゴミとは

 ずばり、全ての人が「不用」又は、「有害」と判断出来る物を「ゴミ!!」と
言いたいところですが、実際は「所有者が不用になった物」を「ゴミ(廃棄物)」
としています。
 極端な話、ダイヤモンドも持ち主が「不用」と判断すれば「ゴミ」なのです。
まぁ、「ダイヤモンドをゴミ」と言う人はいないにしても、地球にとっては貴重な
ダイヤモンドと同じような資源として使える「ゴミ」がたくさん燃やされたり、埋め
られたりされているのです。
 このように私たちは「ゴミ」を簡単に「不用物」と位置づけて処分してしまう事を
考え直さなければならない時期にきていると言えるでしょう。
ゴミの種類について


○ゴミは大きく分けて二つに分けられます。
産業廃棄物 企業などの事業活動(生活活動)に伴って発生する
廃棄物を言います。
一年に出る量は、なんと一般廃棄物の約8倍の4億d
も出るそうです。
一般廃棄物 産業廃棄物以外の廃棄物(家庭や事業所の事業活動
以外で出たゴミ)皆さんの出しているゴミはここに
入ります。
量は年間で約5千dで各自治体により、燃やされたり
埋められたりして処分されています。

○一般廃棄物にはどんな種類があるの?
可燃ゴミ 燃えるゴミ 紙・残飯・プラスチック・草木・ボロキレ等
粗大不燃ゴミ 家電・家具・金属物・セトモノ・ガラス製品等
資源ゴミ 主にリサイクルできるゴミ 瓶・缶・ペットボトル・古紙
鉄くず等

●自治体によって違いもありますが、大きく分けてこのように区別され
処理されて行きます。
ゴミの処理について
 ゴミの処理は、大昔から行政を悩ませる大きな問題でした。なぜなら
不の財産であるゴミを適正に処理するのは、どうしても多額のお金が
かかるからです。ましてや自然に帰りやすいゴミだった昔とは違い、
科学製品などのそのままでは、環境を破壊してしまう有害なゴミが
ほとんどを占める現代においては、ゴミを適正に処理するのに作る時
よりも多くのお金と技術が必要とされてしまうのです。
 
●可燃ゴミの処理
 可燃ゴミは焼却炉で燃やされ(これを中間処理)、その灰を最終処分場
で埋め立てます。この際、煙などに含まれるダイオキシンや有害な物質を
集塵機(しゅうじんき)で取り除くなど莫大な費用が掛かっています。

●粗大不燃ゴミの処理
 粗大不燃ゴミは、まず細かく破砕され鉄分と可燃分(木・プラスチック等)
そして不燃分(セトモノ・ガラス等)に分けられ、鉄分はくず鉄として
リサイクルされ、可燃分は焼却、不燃分は埋め立て処理されます。

●資源ゴミの回収
 古紙類・瓶・缶・ペットボトル・牛乳パック・トレイ(自治体によっては廃プラ)
くず鉄などを分別回収をします。回収方法は町の中にステーションを設けて
収集車が回収する方法とスーパーなどの店先に回収用コンテナを設置する
拠点回収などがあります。

●ところで、ゴミの処理費はどうなっているの?
 ゴミの処理費は自治体が皆さんの税金で負担します。自治体によっても
異なりますが、旧清水市の場合は年間一人当たり、7,600円、一世帯に
すると22,000円(一回出すと400円)の処理費が掛かっていました。
 でも、この金額には焼却工場の建設費や最終処分場の建設費等が
含まれていないので、実際は一世帯10万円前後の税金がゴミの処理費
として毎年消えていくのです。

ゴミからくる地球規模の環境問題







 私たちが、何気なく出しているゴミ、このゴミが今、地球規模の環境破壊を
引き起こしています。このまま、ゴミが減らなければ近い将来、生物の全く
いない星となってしまうかもしれません。ここではゴミがどんな問題を起こす
のか見てみましょう。

●ゴミを燃やすと・・・・!!
* 地球温暖化・・・・・燃やせば当然CO2が発生します。
* 酸性雨・・・・・・・・・燃やす事により硫黄酸化物等が発生します。
              (排煙の脱硫装置があるので最近は減っている)
* ダイオキシン・・・・塩化物を燃やすと発生します。
              (集塵機の性能向上により殆ど出ない)

●灰を埋めると・・・・・!!
* ダイオキシン・重金属・有害物質による水質・土壌汚染。

●ゴミを埋めると・・・・!!
* 家電製品や塗料などに含まれるPCB・水銀などによる水質・土壌汚染。
  (北極のアザラシなどからもPCBが検出されています)

●資源ゴミに出すと・・!!
* 資源ゴミとして回収された品物は、大きなエネルギーを消費しながら
  原料化(リサイクル)されています。又、回収や施設の運転などによる
  排気ガスなどにより大気汚染も心配されます。

○このままゴミを出し続けると
 地球は、一隻の船のようなものです。船の上の貴重な品物をゴミとして
燃やし続ければ、船の荷は無くなって乗員である生物は死に絶えてしまう
でしょう。「貴重な資源をゴミにしてはならない」というライフスタイルに変えて
行かなければいけません。
ゴミをなくすには
 深刻な環境破壊を起こしている私たちのゴミを減らす為に、私たちは
何をしなければいけないのでしょうか。まず私たちの生活を振り返り
ライフスタイルを変えて行きましょう。

◎ ゴミになるような物は買わない事が一番でしょう。上手に買い物する
だけで10%のゴミが減量できます。

◎ リターナブルビンなど再利用出来る容器を選ぶようにしましょう。
使い捨て容器を使わないだけで、かなりのゴミ減量が出来ます。

◎ ゴミの成分は「紙類」が50%、「残飯類」が15%、「プラスチック類」
が15%、「その他」が20%となっています。そこで、それぞれの品目
ごとに徹底的にリサイクルや堆肥化・飼料化を心掛ければ、かなりの
ゴミが減量できる計算となります。実際、あちこちの自治体で分別収集を
開始した事により、30%近いゴミが減量された報告がなされています。
「混ぜればゴミ、分ければ資源」この言葉を胸に私たちも分別を心掛け
ましょう。

◎ フリーマーケットやバザーなどを利用していらなくなった「使える物」
をゴミにしないようにしましょう。

 今まで見て来たようにゴミは非常に恐ろしい存在です。このゴミを「たかがゴミ」
と侮る事無く、市民・行政・企業が一体となって「ゴミ撲滅」の為に乗り出して
いかねばなりません。現在、画期的なゴミシステムで大幅なゴミ減量成功した
環境先進国ドイツもきっかけはゴミに対する危機感からでした。
 私たち日本人も全ての人がゴミに対する共通の危機感と正しい知識を持つ事
により、個々に努力してもなかなか進まなかった活動も大きな成果が得られる
事でしょう。それには、行政は行政の立場でゴミを出さないシステムを作り、企業
は企業の立場で、そのシステムに従いゴミの出ない製品を開発し、市民は市民
の立場で、そのような製品を選んで買う、このような協力がなされる事が必要
です。
 資源を浪費するようなライフスタイルを見つめ直し、ゴミの出ない世界を
一緒に作りましょう。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
←トップページへ 1/3 次のページへ→